四囲を壁で包んだ家住宅の密集地ながら、静かで落ち着き感のある空間で暮らす
と話す。
さらにこの住宅も「周囲に住宅が立て込んでいるうえに、隣にアパートがあって不特定多数の人が住んでいる。アパートは将来建て替わる可能性もあるし高さもどうなるのかわからない。こうしたことを考えるとある程度閉じていくことを考えざるを得ない状況でした」と説明する。
左下の扉を開けると吹き抜けていて玄関ドアが右側にある。
この扉はパンチングメタルを組み合わせてつくられたもの。
壁を切り取る
Hさんからも「MDSが設計した神楽坂の家は囲われていていいな」という話を聞いていたというが、しかし、同じようにすべて囲ってしまうのではなくどう開くいてくのかも同時に検討していったという。
壁で囲ってしまうと当然ながら採光の問題が出てくる。H邸の外壁を見ると、玄関やガレージの壁が部分的に切り取られているほか上部にも切り取られている部分があるが、そうすることで内部へと光を導き入れまた視線の抜けも確保している。そして内部では、同じく壁を切り取るという操作によって、内外に対して開口をつくり出している。
手前が1階リビングで奥がダイニングとキッチン。オープンキッチンにするのは夫妻の強い希望だった。
ダイニングの左手を奥に進むと玄関へと至る。