自然とつながって暮らす裏山にまで居場所が広がる 大らかなつくりの家
大らかな家族
写真家の鈴木竜馬さんは自宅の設計を依頼する際に具体的なリクエストはあまり出さず、建築家に大部分をまかせるかたちで臨んだという。「趣味のために使える空間はひとつほしいという話はお伝えしました。あとはこちらからいろいろと希望を出すよりもプロにお任せしてヒアリングしていただいことを設計に生かしていただこうと」
設計を行った土田さんは鈴木さん一家の趣味や、好きな洋服、食事等々を聞き出したほか、家族それぞれの人柄にも接した結果「皆さんとてもおおらかなので、いろんなことを決めつけてしまうというか使い方を限定するような家にしてしまうと鈴木さんの家族にはフィットしないだろうなと」判断した。
鈴木邸のアプローチ。外装材は窯業系サイディングを裏返しにしたものに撥水材を塗って使用している。
玄関部分にかけられた庇がわりのオーニング。この下で食事をすることもあるという。奥に見えるのが裏山。
家の中にあるもうひとつの家
鈴木邸の玄関を入るとすぐ目の前に広がるのが家の中に施工途中の家が入っているような一見不思議な光景だ。これから壁をつくって窓をはめ込むところだろう――そんな印象を受けるこのつくりには「鈴木さんたちのおおらかさにフィットするように」