“間”を紡ぐ建築家の自邸自在に姿を変える空間が暖かなコミュニティを育む
曜日と時間で使い方が変わる1階
井の頭線池ノ上駅からほど近い、線路の土手に面して建つ建築家の江頭 豊さんの自邸は、フレキシブルに人と人をつなぐ装置として設計されている。
一家4人で夕食を囲む自邸の1階『DOTEMA』は、平日の昼間はコワーキングスペース、週末はワークショップやキッチンスタジオ等のイベントスペースにもなる。そして同じ敷地内に、4戸の賃貸ワンルームも併設している。
豊さんは朝食を1階のカウンターでゆっくりと摂るのが日課なのだそう。
「子どもたちがバタバタと2階で朝ごはんを食べている間に、僕は1階で優雅にコーヒーなど楽しんでいます(笑)。家族で1階で夕食をとったあとは、そのままここでお酒を飲んで、プロジェクターで映画を楽しむことも多いですね」
平日はノートパソコンを広げて仕事もする。まさにひとつの空間の使い方を臨機応変に変えているのだ。
外のデッキスペースは、1階の土間からシームレスにつながっており、イベント時の交流の場となったり、賃貸の住人達との交流の場になったり、近くの子どもがやって来てブランコで遊ぶ。
自在な使い方ができる“間”が、人と人との関係を紡ぎ、豊かなコミュニティを創造している。