旗竿地に立つ店舗併用住宅 半地下につくったのは“景色”を見渡せ、落ち着く大空間
家具や開口の枠周りなどもスギの無垢材で30㎜程度であえて太めにつくっています」。さらに「材をぎりぎりまで細くして緊張感をつくるというよりは安心感をつくりたかったというのはあったかもしれない」とも。天井のスギ板は厚さが36㎜で梁せいは240㎜あるという。こうした設計上の選択も無意識の裡に安心感のようなものを空間にいる人間にもたらすのだろう。
開口部は東側に設けた。トップライトから落ちる光が大きな壁面を照らしている。
キッチンの横幅は4.3mと広め。娘さんたちとともに料理をするためのほか、いずれ料理教室を開くことなども想定してのものという。天板と壁はモールテックス。ロフト部分は昔の民家を思わせるような懐かしさを感じる。
スケルトンにして家のつくりを見せる
2階の柱梁のグリッド構成をもとにしたシンプルなつくりは家族の成長の具合に応じられるよう可変性を考えてのものという。仕切りには障子を採用したが「この昔からの日本の様式はすごくいいなと思っていたので、あえて壁を立てずに障子だけで仕切ることで、空間を大きくしたり小さくしたり調整しながら生活ができる」という。
「それとこれは家全体の話になりますが、成り立ちというか、どうやって家が出来ているかをこの家を訪れてくれた方に、ぱっと目で見てわかりかつ容易に説明ができるようにしたいという思いもあって、できるだけ木造のスケルトンのような状態にしています。