外壁・階段の仕上げはオリジナルレシピで 狭い中、あえて中央にすえた階段が生活に新たな質をもたらす
工房と稽古場がほしい
「つくりものがあるのでレーザーカッターなどの機械や道具類をちゃんと置けるような工房と稽古場のスペースがほしいというのをまずお願いしました」と話すのは翔さん。劇場などの施設計画のコンサルタントをしている翔さんは、休日にはパフォーマンス活動をしているという。工房と稽古場はそのためのものだ。
奥さんの千尋さんは「前に住んでいたマンションではそういった道具類が生活スペースを侵食していたので家を建てるならきれいに片づけられる家にしたかった」という。
3階。階段が天井に突き当たっている。右がキッチンで左がリビングダイニング。各階、階段の左右でフロアのレベルが異なる。
階段を真ん中に
土地が狭く建築面積もそう大きくは取れない敷地での設計を担当したのは千尋さんがメンバーの一員として勤務するアーキペラゴアーキテクツスタジオの畠山さんと吉野さん。この家の最大の特徴は家の中央部分につくられた階段だが、階段を端に寄せず中央に配するアイデアは敷地条件から生まれたものだった。
「建てられるボリュームもだいたい決まっているなかで、パフォーマンスのための稽古場や工房がほしいというご要望を最初にいただいていたので、床を積層させてつくる必要がありました」