借景を活かした北向きの家 経年変化を味わいながら暮らす木の香りのする優しい空間
「冬場は、南側から入る光が吹き抜けを介してデッキテラスの塀まで届きます」とご主人。季節や時間による光の移ろいが楽しめる。
また、経年変化が楽しめる、木をふんだんに使用した空間も林邸の特徴。米栂を使用した天井やフローリング、美しい木製の建具が印象的である。実は、随所に施された木製の建具は、建具職人の奥さまのお父様が作製したもの。リビングの框戸や2階の引き戸もすべて特注で、お父様が手掛けた。
「色や材料、デザインを父と相談しながら作ってもらいました。ちょっと贅沢ですが、ありがたかったですね」と奥さま。
お父様の熟練の技と心のこもった木製建具が、ぬくもりのある上質な空間づくりに一役買っている。
群馬県渋川市で『佐藤建具店』を営む奥さまのお父様が作製した框戸(正面)。アンティークの家具たちとも相性が良い。開けると玄関につながる。
窓側からリビングを見る。季節の植物などを飾ったディスプレイ棚も上手に活用。階段脇の扉もお父様が手掛けた。
2階のデスクスペースは、奥さまがミシンがけをしたり、洗濯物を畳んだりするのにも重宝。引き戸を開け放てばワンルーム感覚で使用できる。
以前の住まいから使用しているという『無印良品』の棚が、木の床や天井、建具とマッチ。