2015年6月8日 20:00
樹木希林 孫・内田伽羅と共演した映画「あん」を語る
それに、このまま彼女が女優を続けるとは思わないし。
――では、もし、女優になりたいって言われたら?
それはそれ。もともと遺伝子がそういうものだから、仕方ないわよね。芸能人であるがゆえの得も、芸能の家に生まれた面白さもあるけれど、損もあるわけじゃない。その意味合いを承知してるんならば、反対はしないわよ。
――確かに、芸能人はプライベートまで公にされる損があります。ただ樹木さんはそれを隠そうするどころか、自ら話すわけですから、肝が据わっていらっしゃるなと。
昔は(プライベートを報道されることを)損だと思っていたのよ。
でも、そのことによって自分を客観的に見られるから、損じゃないのよ。人の目に立つところに出れば、裏側も見られるのは当たり前のこと。人前に出るっていうことには責任もあるし、そんな生易しいもんじゃないと思うのよ。
――全身癌を公表されていらっしゃいます。こんなことを伺っていいのかわからないですが…。
いいのよ。何でも聞いて。
――死を意識される状況になって、残りの人生をこう過ごしたい、と思われることはありますか。
差し当たってはないわね。いま、マネージャーはいないし、車も自分で運転している。