2017年8月22日 21:15
“I believe.”~私は信じる。~|12星座連載小説#144~魚座 最終話~
その時の“感情”に重点を置いて、時間をかけて緩やかに癒していくという手法が、何だかとても自然で好感触だった。「頑張って!」と、無理強いをするのが好きじゃないから。
最初は表面の感情から。それが癒されたら、今度はその下に隠れている、深い感情に働きかけていく。それを繰り返していくことで、だんだんと本来の自分へと近づくことができる。
学べば学ぶほど、のめり込んで……。こんなに真剣に勉強したのは、学生のとき以来だった。
安岡さんが紹介して下さった先生も、丁寧に分かりやすく教えてくれたし。
フラワーエッセンスの講座を受講し終えた私は、早速自分の占い鑑定に取り入れてみたくなった。ただ、勤めている占いの館では、特別なものを使うのは禁止されていたの。
せっかく学んだのに活用できないなんて……って、しばらく落ち込んだわ。でも、そこで私の旦那“てっちゃん”が、意外な提案をしてくれたのよね……。
「せっかく勉強したんだから、独立したら?」って。あの時は、“目が点”になった。
家のことをキチンとして欲しいんじゃなかったの? って聞いたら、
「自分のサロンを持って、完全予約制にすれば融通利くんじゃないか? それに……花が落ち込んでいるの見ると、こっちまで元気がなくなるからなぁ」