2017年8月22日 21:15
“I believe.”~私は信じる。~|12星座連載小説#144~魚座 最終話~
その言葉を聞いて、私、ますます惚れ直しちゃった! こんなに理解のある旦那サマ、他には絶対いないはずよ……。
ただし、条件が3つ。
・自分で貯めたお金で物件を借りること(てっちゃん名義だけど)。
・無理して予約を詰めないこと(家事をしろってことね)。
・家族が遊びに行っても良いこと(子供の面倒も見てってことかな)。
この3つを約束した。
てっちゃんらしいしっかりした条件。お陰で私も罪悪感なく決断できたし、電話鑑定も頑張ることができた。
不思議なもので、夢があると人は努力できるのよね―――
独立するまでは、どこか占い師としてのプロ意識が欠けていたかもしれない。職場の“館”に守られていて、さらには“主婦に戻る”という逃げ道も私にはあったから。
ふと、麗蘭先生のことを想う。
プロ意識を持ってこそ、占いの世界から一線を退いた先生。
あの時、私の意識が変わった……。
独立してやっていくのは、確かに大変なこと。でも、全てが自己責任で、自分のやったことがそのまま返ってくる。
それは、ちょっと怖いことだけど、とても刺激的。
お客様ひとりひとりとの時間に、すごく意味を感じる。
あの時、麗蘭先生が私に声を掛けてくれた理由が、何となく分かりかけていた―――
『今日は……3件ね。