骨量が少ないと、その弊害は妊娠や授乳期に早くも表れます。そもそも骨はカルシウムの貯蔵庫で、その99%が骨に蓄えられ、残りの1%が血液や体液中にあります。女性は妊娠や授乳期になると、赤ちゃんの体を作るために多くのカルシウムが必
要です。不足する場合は、自分の骨を溶かしてカルシウムを血液中に供給します。ピーク・ボーン・マスが低い人はそれによって骨量がさらに減ってしまうので、若くして骨折することもあります」
20歳以降は、努力しても骨量を大きく増やすことはほぼできないそう。一方、油断をしているとどんどん減ってしまうので、要注意。
「まずは、骨の元となっているカルシウムとタンパク質を、食事から十分に摂ることが大切です。今の時代、牛乳や小魚など、カルシウムを多く含む食材の摂取量が少ないために、不足している人がほとんど。
また、タンパク質は肉に多く含まれますが、ダイエットを
している人からは敬遠されやすく、とくに女性に不足しがちです」(管理栄養士・安中千絵さん)
石橋英明先生伊奈病院整形外科部長。人工関節手術、骨粗鬆症、関節リウマチなどを専門としている。また、医療系のテレビ番組にも多数出演。著書に『骨粗鬆症の最新治療』(主婦の友社)