くらし情報『不妊に悩む夫婦と精子提供者の“危うい三角関係” 賛否両論の結末とは』

2018年3月10日 16:00

不妊に悩む夫婦と精子提供者の“危うい三角関係” 賛否両論の結末とは

ならば共通の知人である水口に精子提供を頼んでみようと、妻の京子に切り出す。学生時代に演劇や脚本の話題を共有していた俊介、水口、京子は、それぞれが一方通行な思いを寄せていたのだ。

「俊介の水口への気持ちには、草稿を書き上げてみて気付きました。僕自身『ああ、そういうことか』と腑に落ちた。3人それぞれの思惑がおぼろげながら見えてくると、俊介が提案し、水口や京子がそれを受け入れたことも自然に思えて。それほど荒唐無稽な計画でもないのかなと」

15年ぶりに叶った再会が、心の奥底でくすぶっていた三者三様の思いに、再び火をつけてしまい…。

「三点で安定しなかったとき、そこにもう一点置くことで三角錐(すい)となり、安定するんじゃないか?その頂点を赤ちゃん、つまり愛に担わせようとする」

賛否両論のエンディングは、読者を驚かせたくて選んだわけではなく、必然だったと前田さんは言う。

「愛は見えないし、その存在も証明できない。
でも奇跡のような偶然がそれを信じさせる契機になることもあるのかなと。僕は神話のようなものを書きたかったんです」
『愛が挟み撃ち』40歳を迎える俊介と36歳の京子は結婚6年め。子どもを欲しがる俊介の、旧友の水口から精子をもらうという提案を、京子も受け入れるが…。

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