2018年7月26日 17:30
兄は精神障害者…明るく振る舞う妹が隠し続けた事実 #20
と言ったりして適当に流していました。
小学生、中学生と幼いときの私は、兄に対して「自業自得だ」と酷く不満を感じていましたが、年齢を重ねるにつれて精神的にも少しずつ大人になり、兄のことを責める気持ちは消えていました。しかし、障害を持つ兄の話題をあえて膨らませる必要はないと思っています。それは今でも変わりません。これらの言動は、相手に対して変な心配をかけないための返答であり、“良い嘘” だと感じていただけると幸いです。
心の壁が顕著に出るのは、恋愛だった
兄の話を具体的に知っている人は、私の周りに今でも少ないです。本当に気心しれた数人のみ。……良くも悪くも、悩んでいたり落ち込んでいたりする姿を極力見せないようにしてきたおかげで、「いつも笑顔で元気な子」「悩みがなさそう」というイメージで生きてこれたと思っています。
仕事の人間関係や女友だちの間柄では、そこまで深く悩むことがなかった私ですが、顕著に心の壁が出てしまう時がありました。それは、大学を卒業しても克服しきれなかった、恋愛——。
飲み会やデートはたまにすることはあっても、生涯を一緒に歩むことができる男性をイメージすることは、20代後半になってもできませんでした。