2018年5月28日 22:00
会社員がアイドルをプロデュース? 著者の体験から生まれた一冊
仙台市出身の作家・渡辺優さんの著書『地下にうごめく星』は、自身の体験も盛り込まれた一冊。
仙台在住の会社員・夏美は同僚の誘いで地下アイドルのライブに行き、一人の女の子に魅了される―『地下にうごめく星』の第一章の主人公の体験は、著者の渡辺優さん自身の身に起きたことだという。
「それまでも女性アイドルは好きでしたが、地下アイドルのライブに行ったのは大人になってからでした。芸能人というより身近な女の子というイメージだったのが、本格的にやっている姿を見て驚いて。それに特別タレント性があるわけではなくても、自分は応援したいなと思わせる子っているんですよね。この楽しさを小説に書いてみたくなりました」
夏美は楓という少女に惹かれ、彼女のグループが解散すると知り、今後は自らプロデュースして楓を含む新しいグループを作ろうと決意。
「私もライブを観ていて、“私のほうがこの子を輝かせられる!”などと、面倒くさいオタク目線が湧いてきて(笑)。夏美さんはド素人ですが、実際に副業でプロデュースをしている人もいると知り、絶対にありえない話ではないと思ったんです」
第二章以降は彼女のオーディションに参加する子たちや楓へと視点が変わり、それぞれの物語が展開する。