2018年5月30日 19:00
衝撃作『ビューティフル・デイ』監督が見せた驚きの演出方法とは?
その珍しい演出方法にホアキンも驚いたそうですが、監督が映画作りで大切にしていることを教えてください。
監督
私は小さい頃から絵を描くときも、映画を観るときも、その世界のなかに没頭してしまって周りのことが見えなくなってしまうタイプ。以前、別の作品を撮ったときに、メイキング映像をあとで見てみたら、私がモニターのところで主人公がしているのと同じ動きをしていたことがあったの(笑)。でも、それを見るまで気がつかないくらい、自覚がないのよね。
とはいえ、それは「キャラクターの世界に飛び込みたい!」という衝動からきているんだと思うの。役者がカメラの前に立つときには、自分のもろい部分をさらけださないといけないし、暴かれるような心理状態でもあると思うから、私もそれをちゃんと理解したいという気持ちがあるのよ。
だから今回も、ホアキンにやって欲しいとお願いしたときに「これは全然意味ないよ」といわれたら、自分でやってみて、「確かに成立してないね」と感じることもしょっちゅうあったの。そうやってキャラクターのことを理解したり、共感したりしようすることは映画作家にとってはすごく重要なことだと私は思っているわ。
痛みと美しさに身もだえる!
監督の映画への情熱とホアキンの役者魂とがぶつかりあって生まれた傑作。