2018年10月24日 18:00
美術館に便器が…! アートの歴史を変えた男の展覧会
階段を降りていく人の動きを表現した連続写真のような油彩画です。この作品は、発表当時さまざまな理由で問題作とされていましたが、いまではキュビスムの重要作品として美術史の教科書にも載っています。
便器がアートに…!
つづく第2章では1912年から1917年までの作品や活動を紹介。ここで、アートの歴史を変えた超有名な便器の作品《泉》を見ることができます!
《泉》は、既製品の磁器製男性用小便器にR.Mutt (リチャード・マット)という偽名のサインを入れただけの作品。デュシャンは当時これを芸術作品として展覧会に出そうとしましたが、「不道徳で創意がない」などの理由で拒否されてしまいました。
20世紀初頭、日本ではまだ大正時代の1917年に便器をアートだ、としてしまったのですから、かなりセンセーショナルな出来事だったんでしょうね。
デュシャンは便器だけでなく、自転車の車輪や雪かきシャベルなども芸術作品として提示。大量生産されている日用品から実用性を取り去ってつくりあげた作品を彼は「レディメイド」(既製品)と名づけ、伝統的な美術の価値観を壊していきました。
それにしても、なぜ便器を選んだのか、この便器は使用したものなのか、などいろいろ気になります。