2018年10月17日 12:30
料理界の巨匠アラン・デュカス、悲劇からの復活と成功の秘訣
というのも、社会から離れてしまった人間には、誰も興味を示さなくなるものですからね。
―20代で経験した飛行機事故のことは劇中でも少し触れていますが、そのときのデュカスさんを支えていたものは何ですか?
デュカスさん
まずは「負けた」とか「戦いが終わってしまった」と思わないこと。あとは家族や本当の友達と呼べる数人の友人たちが支えでしたよ。
―そういったすべての経験が血となり肉となり、いまのデュカスさんを作り上げているのですね。
デュカスさん
その通りです。無駄なものはひとつもありません。すべては経験する価値のあるものなのです。ときには悪い体験というのもありますが、そういったものだからこそ学ぶこともあるし、苦い経験こそ豊かなものだと私は思いますよ。
つまり、経験にはいいものも悪いものもありますが、それよりも「自分のなかに何が残るのか」ということが大切だということなんです。
立ち直るまでの時間は5分だけ
―悪い経験でもネガティブに受け止めず、そのなかから必要なものを自分のものにするということですか?
デュカスさん
そうですね。それに、下に落ちたら、そのあとは必ず上がるしかないんですから。