2018年11月16日 19:30
自閉症、ダウン症、LGBT…困難と向き合う親子の真実『いろとりどりの親子』
が自分のなかにもあったことに気づかされました。監督が彼らと直接触れ合うなかで、忘れられないエピソードはありますか?
監督
私自身も作品を制作する過程で、自分が偏見を持っていたと感じる瞬間は何度もありました。なかでも印象に残っているのは、低身長症で車いすに乗っているジョセフと「リトル・ピープル・オブ・アメリカ」という集会で初めて出会ったときのこと。彼が肉体的にどういうハンデを持っているかを知ってはいましたが、実際に会うと、自分でもびっくりするくらいにぎこちなくなってしまったのです。
―それまでも、そういう経験はあったのですか?
監督
この作品のために、すでにいろいろな方々とお会いしていたにも関わらず、ここまで自分がぎこちなさを感じたことには驚きました。たとえば、「ジョセフは腕が短いけど、握手したほうがいいのかな」とか、「もし彼が飲み物を欲しがったら私が手渡したほうがいいのかな」とか、「見つめちゃいけないけど、見ずにはいられない」といったことを考えているだけで、固まってしまったのです。
―私自身もインタビューをする際、相手にどこまで踏み込んでいいのかというのが難しいところだと感じていますが、特に障害を持っている方々だとこちらが勝手に躊躇してしまうこともあると思います。