2018年12月19日 18:30
不倫、泥沼離婚…スキャンダラスな歌姫の真実『私は、マリア・カラス』
そして、そこで感じたいろいろな感情をすべて音楽に注いでいたのがマリア・カラスなんだ。女性であり、アーティストであり、アイコンであり、公共の存在であり、それらすべてだと思うよ。僕は歌ったりはしないけど、マリア・カラスにインスパイアされて、今日は彼女のお気に入りの色である赤を着ているんだ(笑)。
―今回は本人の言葉を中心に描いていくという構成にされましたが、それによってより主観的な視点が強くなってしまうとは思いませんでしたか?
監督
確かにそういうことはあると思うし、実際に自伝を書いているほかのアーティストのなかには、真実とは違う自分や異なるイメージを出している人もいると思うけれど、彼女の場合はそんなことはないと感じているよ。5年間かけてリサーチをするなかで、いろいろな素材を集めた結果として僕が言えるのは、彼女の言っていることはつねに一貫しているということ。
数年にわたるインタビューを見ても、手紙を読んでも、プライベートな会話の録音を聞いても、いつも同じストーリーを語っているんだ。それは彼女が嘘をついて自分のイメージを作り上げているわけではないという証でもあるんじゃないかな。つまり、それは彼女だけの真実ではなくて、いわゆる真実だということ。