2019年4月4日 20:30
貧困、学力低下、退学…現代の教育問題をリアルに描く『12か月の未来図』
そこで、監督が感じた教育の問題点や自身の経験について語ってもらいました。
―もともと教育の問題に長年関心があったそうですが、きっかけがあれば教えてください。
監督自分の子どもたちがこの作品に登場する生徒たちと同じくらいの年ごろということもあり、子どもを取り巻く教育環境というものに父親の視点から関心を持ち始めたんだ。
あとは、ルポの仕事をしていたときに、ほかの国々を訪れるなかで教育にはいろんな問題があると感じていたことも大きかったかな。
―ご自身のお子さんが同じような問題を抱えていたということはありましたか?
監督娘はすごく優等生だし、そういうことはなかったね。ただ、息子の方はちょっと問題があったから、よく先生に呼び出されたこともあったよ(笑)。
映画には学校で実際に見た事実を反映させた
―今回はリアルさを追究するため、2年間中学校に通い、500名の生徒と40名の教師と一緒に学校生活を送ったそうですが、それほどまでに徹底したリサーチを行わなければならないほど、根深い問題があると感じましたか?
監督僕にとって、2年というのは最低限。リサーチでは、年度末を2回と学年の始まりを3回経験してようやく少しわかり始めたと感じたほどだったけれど、どっぷり浸かることは本当に大事なことだったよ。