2019年5月30日 19:40
初恋、母の不倫、友人の事故…少年が経験した衝撃のひと夏の思い出
それだけに、母親役を演じた女優とはずいぶんと長いディスカッションを行いました。その結果、「自分を認めてもらいたい」という欲求のある女性を弁護したいという考えに至ったのです。
実際に不倫を経験した女性の話を聞いたりしたわけではなく、すべて私が観察したうえで作りましたが、映画を観た方々と話し合ってみると、「この映画は女性が感情を持つ権利を認めてくれた」とか「女性を守る映画である」といった意見を言ってくださる方も多く見られました。
自分のなかにある“問い”を見つけて欲しい
―そういう意味では、日本の女性たちも鑑賞後にいろんな思いが湧き上がると思うので、最後にananwebの女性読者へ向けてのメッセージをお願いします。
監督おそらく、みなさんそれぞれが自分にとっての“問い”のようなものを見つけてくれるだろうと思っています。つまり、それは子どもや夫との関係であったり、自分自身の問題であったりということです。
ただ、それはひとつの答えを目指すものでも、単純な答えに辿りつくものでもないと思うので、“考えの種”となるような多くのテーマを発見していただきたいと感じています。
私にとって、映画というのは問いを投げかけるものであって、答えを出すものではありません。