2019年7月5日 21:00
村上春樹のトラップ? 芥川賞&直木賞作家もハマった仕掛けとは?
『情事の終り』著:グレアム・グリーン訳:上岡伸雄670円(新潮文庫)
第二次大戦直後のロンドン。小説家のモーリスは、知人のヘンリーから妻のサラが浮気をしているのではと相談される。実は以前、モーリスはサラと不倫関係にあり、彼は一方的に別れを告げられた身。サラの今の浮気相手を知ろうと調べ始めるのだが…。
『服従』著:ミシェル・ウエルベック訳:大塚 桃920円(河出文庫)
センセーショナルな作品を発表し続けるフランスの現代作家の長編。舞台は2022年、極右政党を倒して穏健派のムスリム政党が政権を握ったフランス。文学教授の「ぼく」は、パリを去ることにするが…。テロ、移民といった現実問題を盛り込んだ予言的な作品。
うえだ・たかひろ作家。1979年、兵庫県生まれ。2013年「太陽」で新潮新人賞受賞。’15 年『私の恋人』で三島由紀夫賞、今年『ニムロッド』で芥川賞受賞。
新作は世界文学的大作『キュー』。
しまもと・りお作家。1983年、東京都生まれ。2001年に『シルエット』で群像新人文学賞優秀作に入選。’03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞、’18年『ファーストラヴ』で直木賞受賞。