2019年9月5日 18:50
命綱なしで断崖を…死と隣り合わせの極限状態に挑む男の過酷な運命
そこで、当時を振り返ったいまの心境から舞台裏までを語っていただきました。
―まずは、アカデミー賞を受賞されたときのお気持ちから教えてください。
監督それは言葉にできるものではありません。なぜなら、名前が呼ばれた瞬間、時間が止まり、頭が真っ白になって世界がぐるぐると回っているような感覚だったからです。いずれにしても、いまは作品が多くの人に愛されたこと、そして評価されたことを本当に光栄に思っています。
―周りの反応にも変化はありましたか?
監督いつも私に「何にでもこだわりすぎで、時間をかけすぎ」と言っていた母が、受賞後は「細かいところにまでこだわってすごく頑張ったわね」と褒めてくれました。正直、「ここまで反応が変わるのか!」と面白かったです。(笑)
―やはりアカデミー賞の効果はすごいですね。
では、受賞につながった要因はどこにあったとご自身で考えていますか?
監督手に汗握る緊張感はもちろんですが、努力、忍耐、自己鍛錬を通して不可能を可能にしていくアレックスの姿をスクリーンで観ることができること。そして、観客も一緒に挑戦しているような気持ちになれて、その場にいるかのような感覚を味わえたからではないかと思います。