吉永:厳しくないです。そうありたいと思ってはいますけど…。
二宮:いやもうその姿勢こそが厳しいです。小百合さんはよく現場で、“私なんか全然できてない”とおっしゃっていましたけれど、小百合さんができてなかったら僕はいったいなんなんだ?と。
吉永:(笑)。二宮さんは作らなくても、ふわっと映画の世界に入って、セリフも何も自在にできる方ですから。二宮さんの浩二という役は亡霊なので、ちょっと不思議な動きもしなくてはならないけれど、そういうのもすぐできてしまうのね。天才だと思います。
二宮:そんなに褒めていただけるなんて、いままでにない経験です。僕、あまり褒められたことがないので、素直に嬉しいです。
吉永:浩二が“町子(黒木華さん演じる浩二の恋人)には僕しかおらん”と泣くシーンでね。二宮さんのお芝居があまりにも素敵だったので、カットがかかってから私、二宮さんに抱きついてしまったんですよね。なんて素敵なお芝居だろうと思って。そんなこと、初めてだったんですけど。
二宮:台本には書いてないことですもんね(笑)。この映画に出られて本当によかった!
◇よしなが・さゆり東京都出身。
1957 年にラジオドラマ『赤胴鈴之助』でデビュー。