2019年11月30日 18:40
恋も仕事もうまくいく!…相手が心地よく感じる「話の聞き方」#11
と言って、もっと修行しなさいとも、そんな考え方は未熟だと批判もしません。実はわたし自身自分のなかでダメ出ししていて、「人に指摘されたら嫌だな」と思っていた一面をあえてさらけ出したのですが、それを彼女は私の代わりに受け入れてくれたのです。「そういった至らなさを率直にわかち合おうとするのは、あなたの価値ですよ」と。アドバイスもないし、こうしなさいと命じる言葉も無い。だからこそしっかりと支えられていると実感した私は「老師のもとで頑張ろう」と新たな気持ちで修行に取り組めるようになったのです。
これはカウンセリングでも受容(アクセプタンス)という手法として取り入れられています。誰にもわかってもらえないと思っているクライエントの思いに寄り添うことで、クライエントは安心できる。そして自己探求を始め、やがては受け入れることが出来なかった自分の一面を自己受容(セルフ・アクセプタンス)できるように成長していくのです。
このように相手を癒してその成長を促す、全身全霊で傾聴することはディープ・リスニング(深く聞くこと)やマインドフル・リスニングと言われ、聞く瞑想だとも考えられています。アメリカではビジネスシーンやパートナーシップ、子育てにおいても相手の心をつかむ力があるとされて、たくさんのハウ・ツー本でも取り上げられています。