2019年12月19日 20:20
W不倫の夫婦が迎える結末…フランス流から学ぶ大人の恋愛関係
今回は現代のデジタル化が抱える問題や男女間の愛について、語っていただきました。
―今回は出版業界を舞台に2組の夫婦を描いていますが、それを監督としては珍しいコメディという手法で描いたのはなぜですか?
監督この作品は、デジタル化や現代社会に関する抽象的な概念について問題提起をするために作りました。ただ、こういった社会的な問題を描くときに、ものすごくまじめな語り口にしたり、技術的な用語を駆使したりすると、なかなか観客はアクセスしにくいものなんですよね。
それよりも、コミカルなトーンで描いたほうが、「これは自分たちの問題なんだ」と考えてくれると感じたので、コメディにすることにしました。
―劇中ではジュリエット・ビノシュ本人に関するジョークがあったりと、キャラクターたちの繰り広げるやりとりが見どころでもありますが、セリフにはアドリブもありましたか?
監督本当はもっとアドリブもあるかなと思っていましたが、今回はすべて脚本に書かれていることです。それは、この作品がコメディだったからというのも大きな理由だったと思います。
というのも、コメディは言葉のリズムやチョイスによって、コミカルなものになるかどうかが決まるので、その場で変えてしまうと、そういった要素が消えてしまうこともありますから。