くらし情報『家族の思いのズレがリアル! 3世代の“家”を描く青山七恵の新作』

2019年12月23日 18:30

家族の思いのズレがリアル! 3世代の“家”を描く青山七恵の新作

家は、目に見えたり直に触れられたりする場所というだけでなく、思いや記憶が積み重なった宙にもあるものなのかなとも思う、と青山さん。

「私が作家になっていろいろ描いていることも、実は祖先の誰かから渡されたものなのかなと。たとえば会ったことのない曽祖母も、いま会って話したら意外と気が合うのでは。もしかしたらその人が生きている間に考えきれなかったことを代わりに考えているのかなと思ったり(笑)」

ちなみに青山さん自身の「家」観をうかがってみると、

「一人暮らしをしているいまの部屋にはものすごく愛着があるんですが、作家のための長期滞在のプログラムでフランスのサン・ナゼールに滞在したとき、その家は私の所有物でもないのにどこかに出かけて戻ってくると『家に帰ってきた』とほっとしていました。人と家とは案外緩やかなつながりで結ばれているもので、『私の家』と呼べる場所は人生にいくつもあるのかもしれません」

家族の思いのズレがリアル! 3世代の“家”を描く青山七恵の新作
あおやま・ななえ作家。1983年、埼玉県生まれ。’05年「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。’07年「ひとり日和」で芥川賞、’09年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。
『踊る星座』ほか著書多数。

『私の家』鏑木家の次女の梓、母の祥子、父の滋彦、大叔母の道世、伯父の博和、亡くなった祖母の照らがそれぞれに抱えていた内緒の思いが交錯する。

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