2016年1月13日 20:00
スガ シカオ「歌えるまで10年かかった」 魂の一曲、その秘話
法務局にも毎日のように通っていたんですよ(笑)。その間もライブを企画したり、シングルを何曲か発売したんだけど、アルバムを作る気持ちにならなくて逃げていたんです。
――それはどうしてですか?
スガ:次に出すアルバムは自分の集大成的な作品になる、とファンに宣言していたので、それほどのものを作るのが怖くてできなくて…。でも「アストライド」という曲ができ、この曲の世界観を囲むようなアルバムを作りたい、と思いました。この曲の原案みたいなものは10年前からあったんだけど、何度トライしても歌えなくてね。思うように歌えるまで10年かかった。
――え、10年も!
スガ:メロディでもないし、HIPHOPでもないし、字余りで歌うところにグルーヴ感がある独特の曲なんです。10年かけて、これ!と思うものがようやく日本語で表現できたと思う。
自分はこんなふうにいきたい、という気持ちや感覚を、そのまま歌詞にしています。さらに、プロデューサーを小林武史さんにお願いすることになってやっと、曲作りに集中するぞ、と前向きな気持ちになれましたね。
――このアルバムを、自ら“J‐POPになる前のスガ シカオ”と紹介されています。