2020年5月25日 20:30
「最初は詐欺じゃないかと(笑)」世界が認めた美声、海宝直人が驚いたオファーとは
「幼い頃から出会ってきた方や作品にずっと恵まれてきたんだと思います。それこそ、子役時代にご一緒させていただいた劇団四季の方々は、素晴らしい俳優さんばかり。そういうなかで、自分が何をいいと思うか、どんな俳優になりたいかといったものが形成されていったような気がします」
役を表現するツールとしてテクニックは必要なんです。
海宝さんの魅力といえば、確かな歌の実力はもちろんだけど、何よりその歌の表現力の豊かさだろう。これまで何度となく聴いていた曲なのに、海宝さんの歌で“ああ、こういう曲だったんだ”と気づかされることも多い。
「もともと僕は、この役の心情でこのメロディならばこう表現したいというのが、結構はっきり自分の中にあるほう。それを表現するツールとして、どうしてもテクニックが必要なんです。ただ20代前半の頃は、こういう表現がしたいのにできないとか、こういう音色を出したいのに出ないとかで苦悩していて。
例えば高音でメロディが書かれている曲があって、それを歌おうとすると声が細くなってしまったり柔らかい音色になってしまったり、歌のエネルギーが落ちてしまうことがあるわけです。でもそれでは、自分が思う役の心情が表現できない。