2020年5月25日 20:30
「最初は詐欺じゃないかと(笑)」世界が認めた美声、海宝直人が驚いたオファーとは
だとしたら、出せるようにするしかないですよね。苦悩する場面で歌うなら、もっと声帯を閉じた、ガツンと当たった音でちょっと歪みを出したいとか。そのためにボイストレーニングに通うようになったんです」
テクニックを磨くことは、つまり表現の幅を広げるということ。そして、いざ舞台に立った時に歌から自由になるためのもの。
「歌っている時、思うように声が出ないとか何か引っかかりがあると、そっちが気になって役に集中できなくなっちゃうんですね。それが自分の中のストレスになるし、お客様にも伝わってしまう。だから舞台上で余計なことを考えずに済むためのものなんです」
なんと’18年には世界的演劇都市ロンドンのウェストエンドで舞台デビューも果たしている。しかもそれが、舞台で海宝さんの声を聴いたロンドン・ロイヤル・オペラハウスのコンサートマスターのヴァスコ・ヴァシレフさんからのオファーだったというからすごい。
「最初は詐欺じゃないか、と(笑)。でも、こんなチャンスはなかなかないし、飛び込んでみようと思って。右も左もわからないなかでしたが、すごく新鮮な体験でした」
世界も認めたその人は、いまどこを向いているのだろうか。