2020年6月19日 19:10
ポン・ジュノ監督成功の裏で反省も…女性監督が語る韓国映画界のいま
―確かにそうですね。では、いまの韓国の映画界についてもおうかがいしますが、世界的な注目が集まり、人気実力ともに勢いをさらに増していると思います。そのなかにいるひとりとして、感じていることはありますか?
監督韓国映画は、すごくうまくいっているように見えますし、実際にうまくいっている部分もありますが、実はいま韓国では反省の声も上がっているんです。―それは意外ですが、具体的にはどのあたりについてでしょうか?
監督当然のことながらいい映画もたくさん撮られていますが、現在の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の前の政権が非常に保守的だったため、その時期は画一化された作品が数多く作られていました。その結果、当時は新人監督がデビューするのはなかなか難しく、作られる映画は、まるで工場で作ったような多くの集客が見込める“超大作”ばかりになってしまったからです。
ポン・ジュノ監督が『パラサイト』でたくさんの賞を受賞したことによって、「では、なぜ第二のポン・ジュノは現れないのか?」といった声が高まっています。もちろん、パク・チャヌク監督やイ・チャンドン監督など、韓国にはポン・ジュノ監督以外にも素晴らしい監督はいますが、そういった監督たちに続く次の世代が生まれていないことを反省しているのです。