2020年6月19日 19:10
ポン・ジュノ監督成功の裏で反省も…女性監督が語る韓国映画界のいま
そのうえで、そこにある共通点はなんだろうと考えましたが、結果的に「家族」というものが人の心を動かす軸になるというのがよくわかりました。そういったこともあり、本作では家族を軸に主人公のウニが成長していく姿を描いています。
―ちなみに、ウニのキャラクターは監督の少女時代に近いところがありますか?
監督劇中では、ユニと塾の教師であるヨンジの2人に、私の一部が反映されていると思います。とはいえ、父親や母親をはじめとするさまざまなキャラクターのなかにも、少しずつ私が入っているところがありますね。たとえば、彼氏のジワンの優柔不断さは私に似ていますし、後輩のユリがすぐに気が変わってしまうところも誰にでもある部分ですから。そんなふうに自叙伝的な要素が下地にはあるものの、あくまでもフィクションとして話を作り変えて描いています。
―ただ、本作ではソンス大橋の崩落事故など、実際に起きた出来事なども描かれていますよね。
監督ソンス大橋の崩落をモチーフに選んだのは、ウニというひとりの少女の内面や人間関係が崩壊していく様子と彼女が抱く喪失感を重ね合わせてみたいと思ったから。
韓国は1988年のソウルオリンピック以降、「とにかく早く成長しなければいけない」