2020年8月13日 19:40
難民から王者へ…強制送還の危機から逃れるために少年が起こした奇跡の実話
なので、それとはまったく違う作品を作る資格が自分にあるのか、ということを当初は悩んでいたんです。
―その後、自信を与えてくれたものは何ですか?
監督それは、シルヴァン役のジェラール・ドパルデューがイエスと言ってくれたときですね(笑)。今回は彼のエージェントが気に入ってくれたこともあって、すぐドパルデューに脚本を渡してくれたんですが、なんと彼は脚本を手にした24時間後には、イエスの返事をくれたんです。そのことが、僕に“翼”を授けてくれることとなりました。
そのあと、自分で気がついたこととしては、ファヒムの物語を映画にするうえで、ジャンルは関係ないんだということ。確かに自分はコメディの出身だけど、物語に真心を持ち、真摯な気持ちで語ることのほうが大事なんだとわかってからは、リラックスして取り組むことができました。
―いろいろな意味で、ご自身にとって挑戦的な作品だったと思いますが、完成まで一番大変だったことを挙げるとすれば?
監督一番難しかったのは、素人を俳優として起用したことですね。今回は、子役だけでなく、お父さんの役もストリートキャスティングで選びましたが、彼らもファヒムたちと同じような経験をしてきた人たちだったんです。