2020年8月13日 19:40
難民から王者へ…強制送還の危機から逃れるために少年が起こした奇跡の実話
と言ってお父さんに何度も電話をして来てもらうことができました。実は、彼もファヒムと同じく、政治亡命した父親とフランスに来た子で、僕が会ったときは3か月前に入国したばかりだったんですよ。
―運命的な出会いだったんですね。とはいえ、演出するうえでの苦労もあったのでは?
監督アサドは大人に対して怒りを示してはいけない、という宗教的な教育を受けて育ったこともあり、そういう場面での表現ができず、最初の4週間は、演技らしいことはまったくできませんでした。でも、徐々にこれは演技なんだということに気がついてから、できるようになっていったので、かなり時間をかけてわかり合えたという思い出がありますね。
―そんななかで、フランスの名優ドパルデューさんの存在感は大きかったと思いますが、一緒にお仕事をされていかがでしたか?
監督まず、彼との出会いについてお話しますが、実は2004年に『RRRrrrr!!!(原題)』という映画で共演したことがありました。ただ、彼はおそらく僕のことは覚えていないので、今回は僕にとって彼との“2回目の初めての仕事”という感じでしたね(笑)。
―(笑)。
そのなかでも、忘れられないやり取りなどがあれば、教えてください。