2020年8月13日 19:40
難民から王者へ…強制送還の危機から逃れるために少年が起こした奇跡の実話
でも、この映画の話をするまでに、2時間くらいかかってしまいましたけどね(笑)。
―彼自身が印象的な人、とおっしゃる意味がわかった気がします。この作品では、ファヒムくんの物語とともに、難民や亡命者たちの抱える苦しみについても描かれています。普段あまり身近ではない問題も映画を通じて知ることができますが、観客に伝えたいことはありますか?
監督日本のみなさんがこの映画をどういうふうに受け止めるのか、ということは僕自身も不安に思っているところもありますが、この映画で描かれているのはとても普遍的なテーマ。特に、移民と難民の問題ですが、ヨーロッパの人でさえ移民と難民の違いを理解していない人が多いので、そういった“混乱”を正すことができるのではないかなとも考えています。
つまり、移民とは豊かな国の富を得るために移動する人たちのことであり、難民は母国で死の危険にさらされてしかたなくほかの国に逃げる人たちを指しているということ。難民たちがいかに困難な立場に置かれているのか、ということはこの映画で啓蒙できるのではないかと思っています。それがこの映画のテーマの一つでもあるのです。
―興味深いお話をありがとうございます。