2020年9月8日 20:30
元宝塚・明日海りお「カッコ悪いなって思うことも多くて」退団後を語る
そもそも女性の声を出すこと自体に違和感がありましたし、あらゆることがドキドキでした」
そう言って恥ずかしそうに笑った。しかし、在団中には宝塚の名作『ベルサイユのばら』で男装の麗人・オスカルを演じ、女性らしさや男性らしさにとらわれず作り上げた明日海さんの人間・オスカルは、多くの人の共感を呼んだ。
「私自身が男とか女とかいうことに関して、普通に生きているよりもたくさん考えているからかもしれません。これまでにもさまざまな役を演じてきましたけれど、人間じゃない役とか、性別を超越した役柄にも興味があります。今後、演じられる機会があれば嬉しいなと思っています」
もとより、幕が開いてからも役を追究し続け、日々深化させてきた人。芝居への情熱は変わらない。
「お芝居って正解がない世界じゃないですか。下級生時代からお世話になっていた演出家の方から、お芝居には千の鳥居があって、それをひとつひとつくぐりながら山を登るようなものだと言われていたんです。
それなりに登ってきたつもりでいましたが、退団してみたら山はひとつじゃなく、まったく違うルートがありました(笑)。せっかく途中まで登ったのに、別の装備でイチから登り直しです。