2020年10月14日 19:00
ヘタすぎ!?…学芸員が心奪われたジワる絵本「かるかや」とは?
和歌はラップ?
続いて、第5章「和歌でわかる」へ。美術工芸よりもさらに難易度が高そうな和歌の世界。ですが、ここでもハードルを下げる工夫がされています。まず章解説に「かつての日本人は、ラップのように和歌でバトルを繰り広げていた」と書いてあり、一気に親近感アップ!
和歌は、当時の恋愛やコミュニケーションに欠かせないツールで、和歌の名手はアイドルのような存在だったとのこと。彼らを集めたグループも結成されていました。平安時代に選ばれたのは、36人の歌人たち。会場には、36人のメンバー全員を描いた絵巻を分割した《佐竹本・三十六歌仙絵源順》も展示されています。
最後の第6章「風景にはいる」では、風景画に描かれている小さな「点景人物」に注目して、作品を楽しむ方法が紹介されています。
例えば、江戸時代の人気絵師、池大雅の作品《青緑山水画帖》第8図「漁舟楊柳図」では、ぜひ船に乗った人物を探してみてください。さらに、どんな場面なのかを想像し、心のなかで話しかけてみるとよいそうです。
日本美術が身近に!
今まで、日本美術の楽しみ方がわからなかった人でも、この会場をひとまわりすれば、きっと興味がもてるようになるはず。