2021年1月21日 19:00
有名作家が味わった孤独や貧富の差…どん底から抜け出すのに必要なもの
ただ、あれだけの役者さんなので、家政婦役のデイジー・メイ・クーパーが演技中にもかかわらず、部屋にティルダが入ってくると「うわ、ティルダだ!」となって毎回笑い出してしまうので、それで何度もNGになったということはありましたね(笑)。
どん底では前に進もうとする気持ちが大事
―私も以前ティルダを見かけたことがあるので、そのお気持ちがよくわかります(笑)。今回、日本語のタイトルは『どん底作家の人生に幸あれ!』ですが、監督にもどん底を味わった経験はありますか?そこから学んだことがあれば、教えてください。
監督どん底だったことは、本当に何度もありますよ……。そのなかでも挙げるとすれば、私の父のこと。父はいろいろな“冒険”を始めてはお金を失うような劇中のミコーバーみたいなタイプの人でした。それも僕がこの物語に惹かれた理由のひとつかもしれないですね。
父は僕が若いときに亡くなりましたが、そのときに借金を残していたので、母ひとりで4人の子どもを抱えたまま「この家に住めるんだろうか」と明日のこともわからないような不安な日々を過ごしたこともありました。
でも、僕の母は仕事熱心ですごくユーモアのある人だったので、家庭はとても明るかったですよ。