2021年1月21日 19:00
有名作家が味わった孤独や貧富の差…どん底から抜け出すのに必要なもの
とはいえ、演劇界では以前からこういった多様なキャスティングというのは行われていたことなんですよね。ただ、映画界ではそういったところがまだ追いついていないようには感じています。
―キャストには、ティルダ・スウィントンやベン・ウィショーといったイギリスが誇る豪華俳優陣も揃っていますが、現場の様子についても教えてください。
監督ティルダもベンも、みなさんが思っている通りの素敵な方々でした。特にティルダはポジティブなエネルギーを持っていて、熱意にあふれている人。それまで会ったことはありませんでしたが、彼女の素晴らしい演技をずっと見てきて、ユーモアのある役を演じさせたいと考えていたんです。
ベンに関しては、“いわゆる悪者”みたいなお決まりのキャラクターにはしたくないという思いがありました。つまり、観客がどこかでシンパシーを感じられる人物であるということ。
なので、彼らの役に関しては、ステレオタイプなものではなく、人間的なものにしたいという意識が強くありました。
結果的には、2人とも現場でアドリブやアイディアをたくさん出してくれたので、いろいろな角度からの作品づくりができて楽しかったです。