2021年2月9日 19:30
長澤まさみ「仲野太賀くんは年下の俳優で一番信頼している人」と語る理由
長澤さん私も生きているなかで時代の移り変わりというのを感じていますが、そのなかですごく疑問に思っていたのは、時代の流れに合わせて人が変化していくことがはたして常識なのか、正義なのか、ということ。この作品にはそういうことが詰まっているので、すごくいい作品だなと思いました。
それでいて、登場人物たちが持つ人間味がすごくリアル。そういったところにも心を動かされましたが、取ってつけたような価値観ではないので、そのあたりも共感できたところです。作品を観終わったあとにはちゃんと問いが生まれますし、満たされて温かい気持ちにもなりました。それくらい自分のなかに残る作品になったという印象です。
意識したのは、観客と映画の“橋渡し”になること
―仲野さんは撮影前に監督といろいろディスカッションをされたそうですが、どのようなことを意識して演じられたのでしょうか?
仲野さんお話をいただいたときから西川監督に言われていたのは、「津乃田は一番共感性の高い役だから、観客とこの映画の“橋渡し”になってほしい」ということ。僕が求められていたのは、津乃田に寄り添いながら、三上と観客に向き合い、そのうえで俗っぽさを出すことでした。