2021年2月9日 20:30
「是枝裕和監督は素晴らしい」中国の若き才能が称賛する日本映画の底力
―本作は2年もの時間をかけて撮影したそうですが、それが作品にどのような影響を与えていると感じていますか?
監督この映画はこれだけ長い時間をかけたからこそ、いまの完成度に到達できたんだと思っています。僕にとって時間は、映画のなかでも重要なキャラクターのひとり。時間によって四季や街の様子、そしてキャラクターたちもどんどん変わっていきました。たとえば、劇中に妊娠している女性が登場しますが、それも撮影期間中に彼女が実際に妊娠したので、エピソードして盛り込むことにしたんです。
今回の映画は、僕にとっては初の劇映画であり、初めてクルーと一緒に作った映画なので、最初は何もわからないところから始まりました。でも、2年という時間をかけたおかげで監督としてのスキルが上がり、スタッフたちとの連携も研ぎ澄ませることができたと思います。長いマラソンを走っているようでしたが、区間をわけながら自分のペースで走りながら作っているような感覚でした。
出演者の親戚に怒られてばかりで、大変なこともあった
―もともと撮影は2年かけて行う予定だったのでしょうか?
監督実は、最初は1年で撮ろうと思っていました。
でも、いま考えれば、それも難しい目標だったかもしれません。