2021年2月17日 18:30
あのダイアナ妃も購入!…日本人芸術家の美しすぎる木版画
ダイアナ妃は1986年に来日した際、自分のクレジットカードで吉田の作品《猿澤池》を購入。《光る海》と二点並べてケンジントン宮殿の執務室に飾っていたそうです。
彼の作品は、精神科医のフロイトが書斎に飾っていたり、歌手のノラ・ジョーンズも収集していたりと、海外にファンが多いことでも知られています。
「日本といえば浮世絵版画」のイメージが強かった欧米で、吉田は新たな日本芸術の世界を切り拓きました。
ところで、浮世絵版画と吉田の木版画の違いはどこにあるのでしょう?
まずは描き方。陰影のないフラットな浮世絵と比べると、吉田の作品は写実的です。しかも、対象となるモチーフをじっくりと観察し、例えば水の流れや水面に輝く光までも細かく描写。その原画を、浮世絵版画の3倍以上も手をかけ、何度も摺りを重ねて美しい版画に仕上げているのです。
さらに、同じ版木を使いながら摺色を替え、時刻や光の変化を表現。こうして、浮世絵版画とは異なるオリジナルの木版画を生み出しました。
世界中の風景を楽しめる!
吉田は若いころから晩年まで、旅を続けながら写生をして風景を描き続けた芸術家です。また、戦時中は従軍画家として派遣されており、中国の風景を描いた作品なども残っています。