くらし情報『想像を実体化できる少女、いじめを機に不穏な方向へ…漫画『ブランクスペース』』

2021年4月19日 21:10

想像を実体化できる少女、いじめを機に不穏な方向へ…漫画『ブランクスペース』

熊倉献さんの『春と盆暗』は、日常と不思議な現象の境界が薄れていくような世界観で、初コミックながら多くのマンガ好きを唸らせた。待望の新作『ブランクスペース』は、空白(ブランク)をめぐる物語だ。

青春の波に乗れない少女たちが、空白から生み出すもの。
想像を実体化できる少女、いじめを機に不穏な方向へ…漫画『ブランクスペース』


「女の子ふたりの話は、以前から短編としていくつかアイデアがあって、それをまとめて長編にできないかなと思っていました」

身も蓋もない言い方だが、熊倉さんのマンガの特徴は言葉で表現しにくい部分というか、説明しても理解しづらいところに宿っている。本人もそのことを自覚しているようで、「説明が難しいから」と本作の構想を8ページほどの予告編としてまとめて、担当編集者と共有したそう。

「映画の予告編みたいな感じで、クライマックスも一応わかるものです。担当さんと打ち合わせた内容とは全然違ってしまったのですが(笑)」

狛江ショーコは帰り道で偶然会った同級生の片桐スイが、不思議な力を持っていることを知る。左のコマがそのシーンで、スイは念じたモノを現実に生み出すことができる。
ただしその物体は、目に見えない。

「かわいい女の子を描くのが好きなんです。ショーコは明るいけれどトンチンカンなところがあって、『あの子ちょっと変だよね』みたいに見られている子。

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