2021年5月14日 19:30
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そういったこともあり、なかなか助成金が下りず、撮影までに長い時間を要してしまいました。
自分の人生をどう生きていくかを考えてほしい
―ということは、当時を知っている人と知らない人とでは、映画の感想もかなりわかれたのでしょうか?
監督そうですね。観客のなかでも世代が異なると、作品の受け取り方も違ったようです。私は東ドイツで生まれましたが、ドイツが統一してもう30年以上経つので、昔はどうだったのか思い出せないこともありますけどね。ただ、当時を知らない人たちにとってはこの映画で描かれていることは、別世界のように感じたのかもしれないです。
私としては、若い世代の人たちがこの映画を“哲学的娯楽作品”として受け取ってくれたらいいかなと考えています。「哲学的」といったのは、罪の意識にさいなまれているグンダーマンの姿を見て、「どうしたら人生で罪を犯さずに生きていくことができるのか」ということを感じてほしいからです。
実際、当時の東ドイツで起きていたこういう問題は、なくなったわけではなく、形を変えていまの世界にもまだあるものですよね。
なので、観客の方々がこの映画を観たときに、映画を楽しむと同時に自分の人生をどう生きていこうかと考えてくれたらいいなと思っています。