2021年5月23日 20:30
終活、世捨て人たちが選んだのは…「死ぬ権利」が人々に与える意識の変化
チャーリー役のジルベール・スィコットは、そのシーンで非常にエモーショナルになっていらっしゃって、自分の場合はどうすればいいのかと今後の人生についても考えていましたし、トム役のレミー・ジラールはご自身の奥さまが若い頃に自ら命を絶ったという経験があったので、演じるうえで役の気持ちがわかるともお話されていました。
彼女は自分らしい最期を自ら決断した
―マリー・デネージュ役のアンドレ・ラシャペルさんは本作が最後の出演作となりましたが、彼女とは現場でどのようなお話をされましたか?
監督アンドレはしばらく映画出演から離れていたのですが、この映画を最後の出演作にしたいと言って出てくださいました。この映画を通じて、自分が生き返ったような気持ちになったとお話してくださったのは、うれしかったです。彼女は夫をガンで亡くされており、そのときの延命治療が大変だったこともあって、自分は違う形で最期を迎えたいという気持ちがあったんだと思います。
残念ながらこの映画が公開された2か月後にガンでお亡くなりになりましたが、その際には治療することをやめて尊厳死を選択したそうです。後日、アンドレの息子さんから、「母はこの映画に出演したことで、自分が何を望んでいるのかに気がついたようです」