くらし情報『皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集』

2021年5月30日 21:40

皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集

ユーモア炸裂の話も。「ゼリーのエース(feat.「細雪」&「台所太平記」)」は液体がゼリー状に固まって女の子になる話。『細雪』『台所太平記』はどちらも谷崎潤一郎作品だ。

「谷崎のこの2作品は、どちらも女性たちが結婚できるかどうかが大問題なんです。よく出てくる“身を固める”も、考えてみれば変な言葉だなって。それで、身を固めるといえばゼリーだろう、と(笑)」

また、「物語」は自分の言動が第三者の勝手な解釈で物語化される嫌悪を皮肉と笑いたっぷりに描く。

「2014年に書いた短編ですが、読み直して今も状況があまり変わらないことがショックでした。ストレートに描くと説教くさくなるので、できる限りふざけてみました」

「この世で一番退屈な赤」は生理について大っぴらに語れない空気への違和感から生まれ、「許さない日」は学校でブルマーを強制されたことへの怒りをぶつけた掌編で、共感する人は多いはず。
タイトルを先に思いついた「斧語り」は文字通り斧が語り手で、愛おしくなる一作。表題作も、先にタイトルがあった。「小さい時から男性優位社会の中で生きてきて、自分も男性の目線で物事を見てしまうことがある。本来の目線を取り戻す過程を書きました」

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