くらし情報『皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集』

2021年5月30日 21:40

皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集

書き下ろしの「誰のものでもない帽子」は、コロナ禍で幼い娘と二人でホテルに逃げてきた母親の話だ。

「コロナ禍で、女性の育児やDVの問題が増えたことが気になっていて。そばに助けてくれる人がいなくても、SNSの見知らぬ人や、誰かが忘れていった帽子が助けてくれることはある。今はなかなか物理的に人と会えませんが、社会に存在している時点で誰かと繋がっているんだ、と伝われば嬉しいです」

世代も時間も、空間も越えた繋がりを感じさせる本作。越えるといえば、松田さんの『おばちゃんたちのいるところ』は今、国境を越えて海外で評判になっている。

「日本の古典のリメイクなのに書評や感想を読むと“共感する”という言葉が多いんです。海外のイベントで作品を朗読した時も、“私たちの国も同じだよ”と言われて。そこにも繋がりを感じています」

『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』過去に出会った女性の声が聞こえる「天使と電子」をはじめ、女性たちの緩い繋がりが描かれる作品集。
現代社会に潜む違和感を、ユニークな発想で物語世界に落とし込み、共感&痛快感たっぷり。中央公論新社1650円

皮肉&ユーモアも…女性同士の緩い繋がり描く 松田青子の掌編&短編集


まつだ・あおこ2013年、デビュー作品集『スタッキング可能』が話題に。

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