2021年11月4日 20:00
「日本人で大ファンなのは…」香港の注目女性監督が語る日本の魅力
映画化するうえでのこだわりや働く女性たちに伝えたい思い、そして日本が好きな理由について語っていただきました。
―この企画の話をもらったとき、どのようなところに魅力を感じましたか?
監督最初に小説を読んだのですが、三姉妹がそれぞれの立場と場所で父親の過去を追いかけるという展開が非常に面白いと思いました。この作品を映画化するうえで意識していたのは、年齢の違う彼女たちが破綻した家庭のなかで失くしてしまったものをどうやってもう一度見つけることができるか。そして、どうやって自分自身を取り戻して成長できるか。そのあたりをどのように描くかは、苦労したところです。
―今回、撮影は香港、台北、重慶の3か所で行われています。3都市にまたがったからこその面白さなどがあれば、教えてください。監督まず、私がこの3都市を選んだ理由は、地理的な環境がまったく違ったから。
たとえば、香港にはトンネルがあり、台湾には橋や高速道路があり、重慶には川があります。そんなふうに、それぞれの街が持っている特徴が大きく異なっているというのは魅力的でした。
というのも、離れた場所同士はトンネルや橋や高速道路で繋がっているのに、どうして人の心と心は通じ合うことはできないのだろうか、ということを暗に意図したかったからです。