2021年11月4日 20:00
「日本人で大ファンなのは…」香港の注目女性監督が語る日本の魅力
私はこの作品で、物理的な距離ではなく、心の距離についても見せたいと思っていたので、今回のような設定にしました。
人の価値は結婚や恋愛で決めるものではない
―そういった人と人の間にある心の距離については、以前から問題を感じていたのでしょうか。
監督そうですね。すぐ近くにいるにもかかわらず、他人と心の距離を感じることは普段からありました。たとえば、話す言語が違うとか、考え方が違うといったことだけで相手を拒絶してしまう人もいますからね……。なので、そういったことは前から考えていたと思います。
―ユーシュー、ルージー、ルーグオの3人が抱えているさまざまな問題は、日本の女性でも共感する部分は多いと感じました。劇中でも描かれていますが、女性のキャリアや結婚観の変化についてどのようにお考えですか?
監督当然のことながら、時代とともに女性に対する考え方は変化していると感じていますが、自立して生きていくことと、結婚は別問題だと私は思っています。
この映画のなかでけっこうリアルに描いているのは、重慶のパート。両親が何とかして相手を探し、娘を結婚させようとするのですが、これは現代でもずっと続いていることですよね。