2021年11月5日 20:00
高校生が学校を占拠! 暴力を振るう警察に子どもたちが取った勇気ある行動
マルセラは救急車が来るまでの1時間、ずっと彼女に付き添っていたのです。
この一連の出来事は、貧しい黒人女性がブラジルで生きるというのがどういうことなのかを如実に示しているシーンでもあると思います。つまり、こうした肉体的な暴力が当たり前のように行われているということの象徴なのです。
教育を与えない“暴力”を国家が子どもに与えている
―非常に緊張が走った場面でしたが、日本では想像できないことかもしれません。
監督そしてもう1つは、サンパウロのダウンタウンでルーカスの友人と撮影をしていたとき。彼らと話をしていたらすぐ隣で警官が黒人を職質しており、ルーカスが私に「気をつけないとカメラを没収されるよ」と言ったんです。私は白人で中流階級なので、街中で職質されることはありませんが、黒人の彼らは警官に止められることは日常茶飯事。
たとえば、彼らがいい自転車に乗っているのを見ると、警官は当然盗んだものだと考えるので、彼らは自転車の領収書をつねに持ち歩いているのだと言います。
あのシーンからも、ブラジルの人種主義がどういうものなのかがわかっていただけるはずです。
―そのほかのアーカイブ映像でも、非常に驚かされるものは多くありました。