2021年12月15日 19:30
人生を奪われた…日本を席巻した「世界で一番美しい少年」の栄光と破滅
ただ、いっぽうで日本もある意味では彼の美を“消費”していたところがあったように感じたのですが……。
リンドストロム監督まず言いたいのは、彼が日本で経験したことと、日本という国とを一緒にしてはいけないということです。そもそもこれは異なる2つのことなのですから。彼もそう考えていたからこそ、日本の文化も人々も大好きだし、「日本に撮影で来れてよかった」と言っていました。
ペトリ監督彼としては、日本での仕事は『ベニスに死す』の続きのような感覚だったようですね。もちろん、仕事においてストレスを感じていた部分もあったみたいですし、次に自分がどうなるかもわからない状況ではありましたが、それでも日本はすごく楽しかったと。
だから、彼はずっと日本に戻りたいと話していたんですよ。その理由としては、10代で日本にいたときを思い返そうとすると、本当に自分は日本にいたんだろうかと思うくらい、とてもシュールな気持ちになるからだとか。
だからこそ、本物の経験を改めて日本でしたかったみたいです。
リンドストロム監督実際、今回の撮影で日本に行こうと話したらすごく喜んでいて、撮影中は本当に楽しんでいましたよ。
大人たちは、本当に子どものためかを問いかけてほしい
―その言葉が聞けてよかったです。